『21世紀の資本』の結論は荒唐無稽な学者の戯言だった!!!

書評

いきなりだが、『21世紀の資本』という本をご存知だろうか?
過去200年にも及ぶ税務統計資料から世界の格差を分析した経済学の本だが、データの精度に比べて提案された解決法がお粗末という悲しいオチになってしまったベストセラー本だ。
ざっとあらすじを解説しよう。

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内容紹介

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資本収益率が産出と所得の成長率を上回るとき
資本主義は自動的に
恣意的で持続不可能な格差を生み出す

格差は長期的にはどのように変化してきたのか? 資本の蓄積と分
配は何によって決定づけられているのか? 所得格差と経済成長は
、今後どうなるのか? 18世紀にまでさかのぼる詳細なデータと、
明晰な理論によって、これらの重要問題を解き明かす。格差をめぐ
る議論に大変革をもたらしつつある、世界的ベストセラー。

「本年で、いや、この10年で、最も重要な経済学書になると言って
も過言ではない」ポール・クルーグマン(プリンストン大学教授)

とまあお金持ちはよりお金持ちに、貧乏人は頑張っても貧乏なままという格差社会の原因をデータから突き止めた本です。
素晴らしい!!!

何がすごいって感覚的に気づいたことを徹底的に調べた研究者としての姿勢です。実は同様の研究は行われているのですが、世界20カ国以上、200年にも及ぶ税務統計資料から調査したのはピケティが初めてなのです。
それまでの研究では、過去100年間のデータを扱っていて、つまり戦争による影響を含んだデータを基に研究されていたので、格差が縮小されているかのように解釈されていたのです。

ふむふむ、すごいですなピケティ先生!!!しかしここからです。ピケティ先生が荒唐無稽な解決案を言い始めます。

グローバル累進課税

世界的の国々が協力してグローバル累進課税を掛ければいいんじゃない?

ん?世界のお金持ちの資産に対して同じ税率で、お金持ちであればあるほど税金を納めると…
それどう掛けるの?美味しいの?

  • 下町の町工場の機械も資産だから課税しましょう。→ちょっと待ってよ。ギリギリの町工場の経営にそんな課税したら倒産しますよ。
  • レバレッジかけたFX投資も金融資産だから課税しましょう。→いやいや。レバレッジは実際資産として所有していないから、例えば10倍のレバレッジのFX投資で100万持っている人に、1000万円に対する課税するの?税金で元本が吹き飛びますぜ。
  • グローバル累進課税かけたあと裏切らないだろう。→絶対、税率変える国出てくるでしょう。だって抜けがけすれば「世界中からお金持ちが集まってウッハウハだぜー!ヒャッハー!!!」バギーに乗ったモヒカン状態なわけですから。

とまあ荒唐無稽で現実的でない案を出していました。まあ他の案があるかというと特に無いけどね。
民主主義&資本主義がベストというわけではないかもしれないけど、グローバル累進課税は税率及びお金の流れを善意に沿ってコントロール出来ないと逆にお金持ちの税金のがれルートが拡大されそうな気がします。

めっちゃ分厚くて、値段も高いけど『21世紀の資本』ご興味があれば読んでみてください。

また今回の記事の元ネタ、勉強させていただいた本は、苫米地先生の『21世紀の資本論』の問題点です。こちらも併せてご一読ください。

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