トマ・ピケティ『21世紀の資本』は社会的弱者を守る最高の経済本だ!!!

書評

いきなりだが、『21世紀の資本』という本をご存知だろうか?
世界中の棒大な統計データを用いて、お金持ちと貧乏人の世界的な不公平を暴いた、まさに現代の聖書、日本の政治家、世界中のお金持ち、経営者にも読んでもらいたいベストセラーだ。
ざっとあらすじを解説しよう。

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内容紹介

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資本収益率が産出と所得の成長率を上回るとき
資本主義は自動的に
恣意的で持続不可能な格差を生み出す

格差は長期的にはどのように変化してきたのか? 資本の蓄積と分
配は何によって決定づけられているのか? 所得格差と経済成長は
、今後どうなるのか? 18世紀にまでさかのぼる詳細なデータと、
明晰な理論によって、これらの重要問題を解き明かす。格差をめぐ
る議論に大変革をもたらしつつある、世界的ベストセラー。

「本年で、いや、この10年で、最も重要な経済学書になると言っても過言ではない」ポール・クルーグマン(プリンストン大学教授)

とまあお金持ちはよりお金持ちに、貧乏人は頑張っても貧乏なままという格差社会の原因をデータから突き止めた本です。
って知ってるわ!!!

経済学者が「格差は小さくなるんです」っていうのを信じていた方がびっくりするわ。しかもよくよく読んでみると、先進諸国では平均して年間所得の6~7倍の資産を国民全体が持っているとか。
そうそう……って持ってねぇわ!!!

これは「わたしは年収500万円の人が3000~3500万円の貯金があります!キリッ!!!」
ってことだろ。サラリーマンではまずそんな人いない!居るとしたらTwitterの中にいる。「あなたの年収を副業で倍にしませんか?わたしをフォローしたらなれますよ。」っていうウサンくさい人だけだろ。

まあ、ここまでピケティ先生データすごい。よくぞ暴いたというわけです。

グローバル累進課税

ピケティがこれらの格差が開いていくのは、基本的に世襲制による資本の流動が原因であると考えています。
お金持ちの家の子は才能が無くても、いい環境を与えられて、貧乏人は優秀な人でも生まれでその才能を伸ばせないような世界になってしまう。
不公平じゃないか!!!

そこでピケティが提案しているのが、グローバル累進課税=世界の国々が同じ税制でお金持ちから税を徴収するという方法です。

それをしないと、お金持ちがお金持ちのままなんです。
例えば、『21世紀の資本』でお金持ちとして挙げられているのが、大企業の役員。彼らは自分たちで自由に役員報酬を決めることができます。累進課税が緩い国なら尚更です。

一つ例を出しましょう。あのレバノンに逃避行したカルロス・ゴーンです。
2009年リーマン・ショックの影響で日産自動車は連結営業利益7,908億円から営業損失1,379億円に落ち込みました。
しかし、カルロス・ゴーンCEOの報酬は、過去最高の8億9,000万円を記録しました。これは社員の平均年収の142倍にのぼる額です。

このように、不景気であっても、実は大企業の役員は役員報酬を自分で決められるのでどんな状況であっても従業員から搾取できるのです。

お金持ちがよりお金持ちになることで、政治判断も揺らいできます。
政治家になるにはお金が必要です。
お金持ちが政治家になれば、「累進課税やめようぜ。ニコッ。」
とかも言えるわけです。

日本の政策

日本の政治家たちが、「地方創生」とか「すべての女性が輝く社会」とかのキーワードを掲げていますが、政策の結果、格差社会を広げています。

「地方創生」

最低賃金問題です。例えば、2014年において県別最低賃金は
青森が679円
東京は888円
と最低賃金に209円の差がついています。
1ヶ月(4週間)週40時間働くとして、付き3万3000円以上の差がつきます。

いやいや地方だと家賃が安くて、野菜とかもらい放題じゃないの?
んなことねぇ!よそものいらねぇ!ってなること請け合いです。
そもそも地方を豊かにしようとするならば最低賃金を全国一律にすることで、地方への人材の流動を促すべきです。

「すべての女性が輝く社会」

「女性が輝く社会」は「活躍する女性を低賃金女性が支える」という構図になる可能性があります。

日本は先進国の中で女性管理職や政治家が極端に少なくて有名ですが、
高学歴で大手企業で働いている女性は高い給与をもらっています。一方で非正規社員でシングルマザーなどの女性は低賃金です。

高賃金女性が「家事面倒だからぁ〜。カジタクでアウトソースしちゃお〜。」とかすると、非正規で切られた低賃金女性が高賃金女性に雇われ得るという女性間の格差が発生します。
すべての女性が輝く社会はどこに行ったんだよ!

とまあ、最後の方は日本の政治への不満になりましたが、ピケティ『21世紀の資本』ご一読ください。

また、ブログの内容の参考にさせて戴きましたピケティ入門『21世紀の資本』の読み方 竹信三恵子 著も併せてご一読ください。

なお、本記事を読んで「そうだそうだ!」と思った方は、以下の別視点の記事も読んでみてください。

『21世紀の資本』の結論は荒唐無稽な学者の戯言だった!!!

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