マーケティングと行動経済学が融合した本

書評

行動経済学を実際にマーケティングに活用したらどうなるかをストーリーとともに紹介している本。
3回読むことをおすすめします。
1回目はストーリー理解、2回目はマーケティングと行動経済学の理解、3回目は自分の価格戦略にチェックシートで本の内容を落とし込む。

価格の心理学
リー・コールドウェル 著

読みやすさ:3.5 
文章の長さ:4.5
分かり易さ:3.5
おもしろさ:4.0
ストーリー:4.0
勉強になる:5.0

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マーケティングの面白さがつまった一冊

チョコレートティーポットカンパニーというユニークな企業が、新商品の「チョコレートティーポット」を価格戦略を駆使してマーケットで地位を確立して、収益拡大に成功するというストーリーに沿って、心理学から行動経済学へと内容が進んでいく。
全ての内容が実際の企業事例を参考にしているところも興味深い。

あなたがチョコレートティーポットという特別な商品で市場を新たにつくる場合どのようにプロジェクトを進めていくだろうか?
本書では、その難しい課題に対して商品のポジショニング、顧客の心理操作、コマーシャル戦略などのお金の心理学を駆使して解決していく。

アンカリング、おとり戦略、リフレーミングなどの心理学や行動経済学の用語の解説、章ごとの重要ポイントのまとめ、そして本の最後に価格戦略のためのチェックシートも付属している。
300ページ程度なので、サクッと読めると思いきや、内容が深く何度も読み返したくなってしまう。マーケティングを知りたい人が手元に置いておきたくなる1冊!

目次

第1章 ポジショニングと価格設定
第2章 原価に基づく試算
第3章 顧客心理の読み方
第4章 マーケットのセグメンテーション
第5章 バイアスとの戦いと公平さの追求
第6章 記憶と期待
第7章 アンカリング効果
第8章 マーケットでの競争戦略
第9章 おとり戦略
第10章 代金の後払い
第11章 ティーパーティー効果
第12章 バンドリングの技法
第13章 無料(フリー)の効用
第14章 アップセリング
第15章 提携販売とバリュープライシング
第16章 他人のお金
第17章 価格設定の環境整備
第18章 「あげる」心理学
第19章 価格設定と倫理

著者紹介

リー=コールドウェル
価格リサーチの専門家。認知・行動経済学者。数学者。18歳で数学の学位を首席で取る。1994年、価格リサーチのコンサルタント会社Inonを設立。行動経済学と心理学をベースに最適な価格を解析する。価格コンサルティングに従事するかたわら、ビジネス解説者としてBBC Newsを含む多数のメディアに頻繁に出演する

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