組織行動学の教授が自信を持って全ての人に「権力志向」を進める本。
この本は、権力を握りたい人だけでなく、権力を持っていない人へ強く権力の勧めを書いた指南書だ!!!
「権力」を握る人の法則
ジェフリー=フェファー (Jeffrey Pfeffer)著
読みやすさ:文章の長さ: 分かり易さ: おもしろさ: ストーリー: 勉強になる:
実力を発揮したいなら存在感を出せ!!
権力と聞くと、政治家や会社経営者などをイメージするが、本書は会社で働くサラリーマンの昇進の話からはじまっています。
「サラリーマンの世界ではゴマすりが昇進するのは昔の話、今は不景気だし、実力主義を導入している会社が多くなってきているから、結局は実力が重要だ。」と考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、様々な研究によって統計的に実績と昇進は関係がないことが判明しています。
そもそも、実力があってもあなたの存在自体が会社内で気が付かれていない場合、評価対象のリストにも入っていません。
人間の心理として人間は自分との繋がりが強い人を高く評価する傾向にあります。(行動経済学で「保有効果」と呼ばれています)そのため、まずは上司や高い地位の人にじぶんの存在を知っておくことは、あなたの実力を正当に評価してもらうためにも重要なのです。
ネットワークのつくりかた
知ってもらうといっても、いきなり部長を飛ばして役員と仲良くなるのは難しいかもしれません。そんな方には、周りを見渡して、伸びそうな人にアンテナを張っておくことをおすすめします。後輩や他部署の気軽にコミュニケーション取れる人材の中で将来的に伸びそうな人の役に立っておきましょう。あなたの実力を早い段階で印象付けておけば、将来的なチャンスにつながる可能性がグッと上がります。
その他に、目上の人には何か頼みごとをするという方法もあります。目上の人は後輩や目下の人に頼られても悪い気はしません。。何かしらの頼み事を通して、自分の存在を知ってもらいましょう。頼むときは、自分と相手との共通点を通じて依頼した方が、頼まれた方に親しみが湧くので効果的です。
権力は本当に必要か?
私には、権力なんて関係ない、昇進なんて興味ないと考えているかもしれません。
しかし、現実世界には政治的駆け引きや権力闘争はつきものです。どう振る舞えば良いのかルールを知り、日頃から対処することで、あなたは不平不満を自分の力で自由に変えられるようになります。
「状況が好転するのを待つのではなく自分で作り出すのはどうだろうか?」
と著者も述べています。
それでも、権力なんて欲しくない、上に行こうとあくせくするのはみっともないと迷っている方に、著者はある調査を紹介しています。その調査によると、ヒエラルキーの底辺の人はトップの人に比べて死亡率が4倍の高いことが判明しています。
自分の状況をコントロールできる方が心身の健康が良好という研究結果もあるので、権力や地位がある方が幸せな人生を送れるかもしれません。