行動経済学が難しい?それじゃあ最初の一冊はこれ

書評

経済学という学問の中に「行動経済学」という分野がある。
行動経済学は簡単に言うと経済学と心理学の間の学問で、専門書やら論文やらは難しいが、その内容においてはマーケティング、セールスはたまたランチメニューを選ぶなど私生活において活用できる場面は多い。
そんな行動経済学の用語をストーリーと共に教えてくれる本が
9割の損は行動経済学でサケられる
橋本 之克 著

読みやすさ:5.0 
文章の長さ:5.0
分かり易さ:4.0
おもしろさ:5.0
ストーリー:5.0
勉強になる:5.0

スポンサーリンク

共感できるサラリーマン目線

バブル世代のサラリーマンとゆとり世代のサラリーマンの先輩、後輩という関係や、同業他社という関係などの描写がある中で、目の前の課題を行動経済学に当てはめて考え、解決していく過程をストーリーで伝えています。

経済学を学んでも仕事で活用できないと考えられているので、敬遠される事は多いと思いますが、本書では「確かにこのシチュエーションはあるよね」という日常を切り取って、会話という表現で行動経済学を教えてくるので共感と共に重要な経済学の概念が学べます。

さらに、その世代間のギャップをストーリーに織り交ぜることで、時代の流れと共にどのようにマーケティングという仕事が変化したか、また、今後どのように変化すべきかのヒントが散りばめられています。

巻末に本書での引用された参考文献もさらに学びたい方のための参考になると思います。

行動経済学という言葉を聞いたことがある、興味がある方が最初に手に取って読まれても良い本だと思います。

目次

はじめに
第1章 「時間選好」を知ったら後悔しない人間になれる
第2章 「プロスペクト理論」でどんな人間も丸裸になる
第3章 「損失回避」がわかれば怖いものはなくなる
第4章 判断を間違わないための「ヒューリスティクス」
第5章 「フレーミング」ひとつでネガにもポジにもなれる
おわりに

著者紹介

橋本之克(はしもと・ゆきかつ)
マーケティングプランナー。
東京工業大学社会工学科卒業後、大手広告代理店で消費財のマーケティングを担当。
1995年日本総合研究所入所。環境エネルギー分野を中心に、官民共同による研究事業組織コンソーシアムの組成運営や、自治体向けのコンサルティング業務を行う。
1998年アサツーディ・ケイ入社後、金融・不動産・環境エネルギー業界を中心にマーケティング戦略やブランディング戦略のプランニングを行う。約600本の企画書を書き、約600回のプレゼンテーションを行い、100社以上の金融機関、50社以上の不動産住宅会社の業務に携わる。
アンケート調査、グループインタビュー、デプスインタビュー、画像メタファー調査、音相分析などさまざまな手法を通じて、顧客の心理や行動の調査分析を実施。モチベーションを高めるとともに、心理的バリアを払拭することで購買や契約に結び付ける、顧客心理を把握したマーケティングが得意。
また大学、研究機関、新聞社、金融機関等が催すマーケティング関連セミナーでの講師、雑誌等への寄稿も多数。

タイトルとURLをコピーしました