行動経済学の教科書といっても過言では無い

書評

外国人作家特有の言い回しと文章の長さによる大変さはあるけれど、行動経済学の重要な概念が網羅されており、入門書でもあるが同時に教科書にしても良いのではと思う内容でした。

読みやすさ:4.0 
文章の長さ:5.0
分かり易さ:4.0
おもしろさ:5.0
買いたい度:5.0
勉強になる:5.0

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行動経済学の歩みがわかる本

1950年代から行動経済学の研究は行われており、本書は1970年代から2010年代までの重要な発見を網羅しています。
それをノーベル経済学賞を2017年に受賞する著者リチャード=セイラーが自分の研究の歴史を踏まえて書かれており、外国人作家特有の言い回しはあるものの、行動経済学の用語を一般的な人にも分かりやすく伝えています。
個人的には、行動経済学の入門書の次に読むべき本だと思います。

また、行動経済学の用語が解説されており、とても参考になりましたので本記事とは別に用語の簡単な解説をした記事を作成しました。

以下ページをご参照ください。
行動経済学用語まとめ – 行動経済学の逆襲より-

目次

第1部 エコンの経済学に疑問を抱く 1970〜78年
第2部 メンタル・アカウンティングで行動を読み解く 1979〜85年
第3部 セルフコントロール問題に取り組む 1975〜88年
第4部 カーネマンの研究室に入り浸る 1984〜85年
第5部 経済学者と闘う 1986〜94年
第6部 効率的市場仮説に抗う 1983〜2003年
第7部 シカゴ大学に赴任する 1995年〜現在
第8部 意思決定をナッジする 2004年〜現在

著者紹介

リチャード・セイラー (Richard H. Thaler)
シカゴ大学ブース・スクール・オブ・ビジネス教授。全米経済研究所(NBER)の研究員。行動科学と経済学を専門とし、行動経済学のパイオニアの一人に数えられる。正しい行動を促す概念として提唱した”ナッジ”は一世を風靡し、各国政府の政策に取り入れられている。2015年にはアメリカ経済学会会長に選出。著書に『実践 行動経済学』『セイラー教授の行動経済学入門』『市場と感情の経済学』があり、いずれもベストセラーとなっている。2017年にノーベル経済学賞を受賞。

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