行動経済学用語まとめ その1

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行動経済学の逆襲 リチャード=セイラー著に載っていた経済用語と個人的に響いた文章をまとめました。皆さまのお役に立てればと思います。

P22 エコン:「ホモエコノミカス」の略。エコンのいる架空の世界と、比べるとヒューマンは誤ったふるまいをたくさんする。それはつまり、経済モデルが誤った予測をたくさんするということを意味する。それはつまり、経済モデルが誤った予測をたくさんするということを意味する。実際、2007〜2008年の金融危機を予測した経済学者はほとんどいなかった。

P23 合理的期待(rational expectations): 経済理論の核となる前提とは、人は自分にとって最適な行動を選択をするというもの。例えば、企業する人が自分の会社が成功する確率は平均で75%だと考えているのであれば、それは実際に成功する事業の割合にかなり近いはずである。なぜなら、エコンは過剰な自信を持たないからだ。

P23 制約付き最適化(constrained optimization = 限られた予算の下で最良のものを選ぶこと)の前提は、経済理論のもう一つの柱である均衡(equilibrium)と結びついている。価格が自由に変動する競争市場では、供給と需要が一致するように価格が調整される。これを少し単純化すると、「最適化+均衡=経済学」という式で表すことができる。この組み合わせは強力で、ほかの社会科学はとうてい太刀打ちできない。

P28 ヒューマンの意思決定とエコンのモデルは無関係とされている要因(supposedly irrelevant factors)に目を受ける必要がある。

P38 機会費用 (opportunity cost): ある活動を選択することで失われる利益のこと。

P40 保有効果 (endowment effect): 人はすでに自分が保有しているものには、いつでも手に入れられる状態にあるがまだ保有していないものよりも高い価値を感じること。

P44 後知恵バイアス (hindsight bias): 人は何かが起きた後で、それが当然の結果だとまでは思わないまでも、あたかも自分は前もってそうなるのではないかと予想していたかのように考えてしまう傾向がある。

P47 限定合理性 (bounded rationality): 複雑な問題を解決する人間の認知能力には限界がある。

P58 人は人生を状態ではなく、変化で考える。人は変化には敏感に反応するが、同じ状態が続くと反応しなくなる。

P59 丁度可知差異 (just-noticeable difference = あることが「変化した」と感じられる最小の差異)はその変数の大きさに比例する。例えば、年収1億の人の収入が100万円増えても、あまり気にしないが、年収500万円の人は敏感に反応する。

P62 損失回避性 (loss aversion): ギャンブルで設けている人は低いリスクに賭けるが、負け続けている人は取り返そうと高いリスクに賭ける。この高いリスクに賭ける状態のことを指す。

P106 サンクコストの錯誤 (sunk cost fallacy): ヒューマンはサンクコストを無視できない。サンクコスト(埋没費用)とは、すでに投資した費用やのこと。株式投資などで、すでに投資した費用に引っ張られて損切りできない状態を指す。

P142 現在バイアス (present bias): 先延ばしにする心理効果のことで、目の前の事柄を過大評価し、未来の出来事を過小評価する。

P223 現状維持バイアス (status quo bias): 人は別のものに切り替える十分な理由がない限り、すでに持っているものに固執する。

P247 確証バイアス (confirmation bias): 人は自分の仮説を支持する証拠だけを探し、反証する証拠を探そうとしない傾向がある。

P243 アノマリー(Anomaly):とは、現代ポートフォリオ理論や相場に関する理論の枠組みでは説明することができないものの、経験的に観測できるマーケットの規則性のことです。

P266 カーネマンとロバロのいう「臆病な決断」損失回避に基づいている。どの管理職も、自分が責任を負うことになる結果については損失回避的になる。組織では、人間が生まれながらにして持っている損失回避性が、報酬と懲罰の体系によって悪化することがある。多くの企業では、大きな利益をあげても報酬は小さいが、それと同じ規模の損失を出せばクビが飛ぶ。このような条件だと最初はリスク中立的で、平均的な利益を見込めるリスクならとりにいこうとする管理職でさえ、やがて非常にリスク回避的になっていく。こうした組織構造は、問題を解決するどころか、いっそうこじらせてしまうのである。

P333 一物一価の法則(the law of one price): 効率的市場では、同じ資産が同時に2つの異なる価格で取引されることはあり得ない。

P364 「コースの定理」:取引コストが存在しないならば、つまり、人々が互いに簡単に取引できるなら、資源はそれを最も高く評価している者の手に渡る。

P373 消費者主権(Consumer Sovereignty): 人は自分にとって最善の選択をしており、何が自分にとって最も利益になるのかということを、他の誰よりも確実に正しく判断できるという考え。

P388 野球においてドラフト順位が高いほど市場価値が極端に高くなる理由
1 人間は自信過剰である – コーチは自信過剰になる
2 人間の予測は極端に振れる – スカウトがスーパースターと言ってします
3 勝者の呪いが起きる – 実はさほど活躍しない
4 偽の合意効果が働く – 周りの人は自分と同じ感覚だと思い込む
5 現在バイアスが作用する – 迎え入れるチームは過度の期待をする

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