貧乏人はストレスを減らしつつ750万円の年収を目指せ

書評

ツイッターのプロフィールに「最高月収◯◯万円」と書いている人は多いですが、そういう人は総じて私よりもフォロワーの数が多くなっています。きっと、そのお金にフォロワーが引き寄せられているからに違いありません。決してわたしの魅力がないからではないです。きっとそうに違いない。そうであって欲しい。

生活するためにお金は必要です。国税庁ホームページにも日本国憲法30条「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。」と書かれています。わたしはサラリーマンなので納税をしっかりしています。むしろ納税したいタイプです。できれば、このブログの広告料の収入で納税の義務を負ひたいと思っていますので、一回でもこの記事を読んだ人は当ブログを友人、知人、出版業界の方へご紹介ください。

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日本のお金と幸せ事情

日本には結婚や就職など人生の大きな決断をするときに、年収を重要視する拝金主義が日常生活に溢れています。実際に家計資産に占める「現金・預金」の比率はアメリカ12.9%、ヨーロッパ34.0%、日本53.3%と先進諸国でダントツでお金を持つことを良しとしている事実があります。(日本銀行「資金循環の日米欧比較」2019年より)

そんな人生をお金で判断している日本人はさぞ満足だろうと思われるかもしれませんが、2020年世界幸福度レポートの世界幸福度ランキングによるとアメリカ18位、北欧諸国はトップ10入り、日本62位と惨憺たる結果になっています。(※1)

そんなお金を貯金にまわして不幸な人生を歩む日本人を見て、お金と幸せの関係についての疑問が浮かんできました。本記事ではフォロワーの多い奴らをこき下ろそうと思いそんな疑問に答えるかもしれないはお金と幸せの関係について行動経済学の研究結果をご紹介します。

行動経済学というのは、簡単に言うと経済学や心理学、脳科学などを混ぜ合わせた学問です。かの有名なアルフレッド・ノーベルスウェーデン国立銀行賞の受賞者も輩出しています。アルフレッド・ノーベルスウェーデン国立銀行賞は通称:ノーベル経済学賞と呼ばれていますが、ノーベルの遺言により設立された賞ではないのでノーベル財団からではなくスウェーデン国立銀行から賞金が支払われています。噂によるとノーベル一族から不満が出ているとかなんとか。

幸せを何で測るか?

今回ご紹介するのは2010年にプリンストン大学のダニエル・カーネマンとアンガス・ディートンの共著の論文です。ダニエル・カーネマン氏は2002年にノーベル経済学賞を受賞しています。(※2、3)

本論文は幸せの尺度を「生活の評価(life-evaluation)」と「感情的満足(emotional well-being)」の2つで定義しています。

  • 生活の評価(life-evaluation):収入、健康状態、週末の過ごし方など
  • 感情的満足(emotional well-being): 楽しみ、ストレス、怒りなど

生活の評価は物理的な幸福度、感情的満足は精神的な幸福度といったところです。この2つで収入との関係を調査しました。

(質問自体はキャントリルの階梯(Cantril Ladder)という最悪の生活0 ~ 最良の生活10のような尺度や、ギャラップ世論調査(Gallap-Healthways Well-Being Index)などのデータが使われています。それらについて詳しくは参考資料をご参照ください。(※4、5、6))

結局は…

調査の結果世帯年収が増えると物理的そして精神的な幸福度は向上していきます。(下記グラフをご参照ください)ということでお金があれば幸せになります。みんなでお金持ちになるために「最高月収◯◯万円」の人をフォローしましょう!

(グラフはわかりやすいように単純化しているので、論文に掲載されているグラフとは異なります。イメージ図として解釈してください。)


…幸せはやっぱりお金でした。

ツイッターのフォロワーもお金に引き寄せられているに違いない。わたしもプロフィールに「ブログ最高月収30円」と書いておきます。きっとフォロワー数が爆増するに違いありません。

グラフの意味

と話を終えたいところですが、グラフをよく見てみるともう一つの重要な情報が載っています。

確かに、年収が上がると幸せ度も上がっているのですが、750万円くらいの世帯年収を超えると物理的と精神的な幸せは飽和していきます。これは一般的なサラリーマンでも十分な幸福度を得られる事を示唆しています。

例えば、サラリーマンの年収450万円(日本の平均年収)であっても、副業で300万円を稼げれば、もうそれ以上は幸せは増えないレベルに到達できます。一つわかりやすいお金の指標ができました。やったー!

(アメリカの研究なので、元はドルで表記されていますので、グラフは日本円に換算した時のおおまかな金額だと考えてください。)

お金に関係ないこと

年収750万円以上のお金持ちであっても減らない悩みは何でしょう?

それはストレスの悩みでした。

調査では「昨日大きなストレスを感じましたか?」という曖昧な質問が用いられているようなので、具体的にどんなストレスかは不明ですが、社会的な地位や人間関係でプレッシャーを感じること多いのは想像に難くないと思います。

また、上記は統計的結果なので平均的な傾向です。
つまり幸せの感じ方は人それぞれで、年収が低くても幸せな人、高くても不幸と感じる人がいたと論文には述べられています。

まずするべきことは..

お金についてのゴールが明確になったのでここで以下の3点のアクションを僭越ながら提案させてください。特に1番目が重要で簡単に達成できます。

  1. まずはわたしをフォローしましょう(ばばーる)
  2. お金が無くてもストレスを溜めない人になりましょう
  3. 年収750万円まで上げましょう

2番目ですが、自分が変わることはお金が無くても今からでもできます。研究結果にもある通り年収にかかわらず幸せな人はいるわけです。簡単に変われないと考えている方はとりあえず「嫌われる勇気」をご一度ください。あなたが変わるきっかけになると思います。

嫌われる勇気
岸見一郎 古賀史健 著

3番目ですが、年収750万円ということは手取りで530万円程度です。
先ほどの年収450万円+副業300万円の例ですが、年収450万円の手取りは350万円なので、実質は副業で180万円稼げばいいわけです。(530 – 350 = 180)もちろん、所得税や経費など諸々細かい計算はありますが、思ったよりハードルが下がった印象があるのではないでしょうか?もちろん、180万円が簡単だなんてことはないですが、年収1000万円を会社で目指すより現実的な指標だと個人的に考えています。

この3点を守って今日から幸せな人生を歩んでいきましょう。

参考文献

(※1)2020年世界幸福度レポート(リンク)(英文です)ニュース記事はこちら(日本語です)

(※2) Kahneman D, Deaton A (2010) High income improves evaluation of life but not emotional well-being. Proc Natl Acad Sci USA 107: 16489–16493.(リンク)(英文です)

(※3) ご紹介した論文の著者ダニエル・カーネマン氏をより詳しく知りたい場合には以下の本をお勧めします。
ダニエル・カーネマン 心理と経済を語る
ダニエル・カーネマン 著
友野 典男 訳
山内 あや子 訳  

(※4) キャントリルの梯子(リンク)(英文です)

(※5) Gallup-Healthways Well-Being Index (リンク)(英文です)

(※6) ギャラップ世論調査はニュースなどでも取り上げられています。(参考記事

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